映画「守護天使」は、冴えない中年サラリーマンがひょんなことから女子高生を守るために奔走するという、ちょっと変わったヒューマンドラマ。主演はカンニング竹山。これだけ聞くと、ただのストーカー映画かと思いきや、意外にもハートフルで楽しめる作品に仕上がっています。
カンニング竹山、ダメサラリーマン役がハマりすぎ!
主人公を演じるのはカンニング竹山。普段は芸人としてのイメージが強いですが、演技になると「こんなにハマるのか!?」と思わされるほど、冴えない中年男をリアルに演じています。
竹山演じる須賀は、妻にも愛犬にも相手にされず、職場でもパッとしない“いかにもな負け組”。そんな彼が、偶然出会った女子高生を守ろうと奮闘するわけですが、普通に考えたら不審者確定(笑)。でも、竹山のどこか憎めないキャラが絶妙なバランスを保っていて、「こいつ、ほんとに大丈夫か?」と思いながらも応援したくなります。
ただのストーカーじゃない!?意外にも感動的な展開
物語の序盤は、須賀の一方的な好意に対して「いやいや、それはやばいでしょ」と思う展開。しかし、話が進むにつれて、彼の行動が決して下心だけではないことがわかってきます。
彼が守ろうとする女子高生(忽那汐里)は、実はとある危険な事件に巻き込まれそうになっていて、須賀はそれに気づき、本気で彼女を助けようとするのです。このあたりから物語の印象がガラリと変わり、「あれ?これ、意外といい話じゃない?」となります。
最後には予想外の展開で、ストーカーまがいだった男が本当に“守護天使”になってしまうという、まさかのカタルシス。なんだかんだで心が温まる結末が待っています。
佐々木蔵之介の存在感が光る!
個人的に特筆したいのが、佐々木蔵之介の演技。彼は須賀の悪友的な立ち位置で登場するのですが、これがまたカッコいい。竹山のダメっぷりが引き立つ一方で、蔵之介のキャラが映画全体をいい感じに締めてくれています。
竹山×佐々木の掛け合いが絶妙で、クスッと笑えるシーンも多め。彼の存在が、映画を単なる“中年の悲哀ストーリー”にしない良いスパイスになっています。
笑いとスリルが共存するユニークな映画
「守護天使」は、コメディの要素が強めながらも、ストーリーの中にはサスペンスやアクションの要素も含まれています。
変態教師、殺人鬼、悪徳警官といったキャラが入り乱れるカオスな展開ながら、しっかりと物語がまとまっているのもポイント。笑えるのにドキドキする、そんな不思議なバランスが魅力的です。
まとめ:人を選ぶけど、心を広く持てば楽しめる!
好き嫌いは分かれる映画ですが、「心を広く持って観れば楽しめる」というのが結論。
主人公の行動は普通に考えればアウトですが、彼の純粋な想いが伝わるラストには、どこか心が温まるものがあります。
「ダメ男が成長する映画が好き」「佐々木蔵之介が好き」「ちょっと変わったコメディが見たい」という人にはオススメ。ただし、「ストーカーものはどうしても無理!」という人は、回避した方がいいかもしれません(笑)。
とはいえ、ラストの「実は妻に愛されていた」というオチは、須賀の奮闘をよりドラマチックにしてくれるいい演出。ちょっとクセのある映画ですが、見終わると妙な爽快感が残る一本です。
興味が湧いたら、ぜひ観てみてください!
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