室町って、もっと地味だと思ってた。
こんにちは、キョウです。
時代劇ってさ、なんかこう…“江戸”か“戦国”ばっかじゃないですか。
でもこの『室町無頼』は、まさかの“室町時代”が舞台。マジで珍しい。歴史の授業でもスルーされがちな、地味で謎に包まれたあの時代が、こんなに熱くなるなんて…思わなかった。
しかも主演は大泉洋さん。え?またどっかでふざけるんでしょ?と思ったそこのあなた。今回の大泉洋は、まったく笑わせてくれません(良い意味で)。
大泉洋、マジで「無頼」だった
彼が演じたのは、貧しさと理不尽の中で育った名もなき庶民。武士でも貴族でもなく、「下の者」として泥の中から這い上がる“無頼”の男。
いや…無頼ってさ、「無法者」ってイメージあるじゃん?喧嘩っ早くて、ルール無視して暴れるような。でもこの映画で描かれる“無頼”は違うのよ。
自分の誇りを持って、守るべき人を守るために立ち上がる。
それってもう、下手な侍よりずっと「武士」してるじゃん…。
洋ちゃんの目がね、全然ふざけてないの。真剣そのもの。
あの目で見つめられたら俺、たぶん正座して謝るわ。
長尾謙杜、いい意味で“浮いて”た
大泉さんの“重さ”に対して、長尾謙杜くん演じるキャラは、軽やかでどこか光が差すような存在でした。
最初はね、「えっ、ジャニーズ枠?」とか思っててごめんなさい(←こういうの書くと怒られるやつ)。でも彼の演技、ほんと良かったんですよ。しかもジャニーズなんて、もうないし・・・(^^;
戦乱の中でも“人間”でいようとする姿。
無頼の世界に巻き込まれながらも、心がすり減っていく様子に、ちょっと胸がギュッてなった。
「なんでこんな時代に生まれたんだろう」
って、作中で言ってたわけじゃないけど、そんな表情を見せる瞬間が何度もあった。
ああいう役を、ただの“アイドル”が演じたら薄っぺらくなると思うんだけど、ちゃんと役として存在してたのがすごかった。
戦の裏にある、“普通の人間”の物語
室町時代ってね、簡単に言うと「下克上のカオス期」です。
武士が偉くない。貴族も落ち目。誰が偉いかよく分かんない。
もうルールとか秩序とか関係なくて、強いやつが生き残るっていう世界。
でもその世界で、「ただ生きたい」って願ってる人がちゃんといた。
そこにスポット当てたのが、この『室町無頼』。
強くなりたいわけじゃない。人間らしくありたいだけ。
そんな人々の話だった。
…俺ね、正直言うと、途中でちょっと泣きました。
生きるために刀を握る。でも、その手は震えてる。
そんな姿を見た時、「あぁ…俺もこうやって毎日“闘ってる”のかも」って、ちょっと思ってしまった。
堤幸彦監督の“泥臭い”世界観に引き込まれる
監督は『トリック』とか『SPEC』とか、独特な映像作品で有名な堤幸彦さん。
でもこの映画では、いつもの“クセ強演出”を封印して、重くて、地に足ついた世界を描いてました。
カメラも長回し多め。音楽も控えめ。
でもだからこそ、“人間”の顔が見える。嘘のない世界。
それでも時々、堤監督らしい「魅せカット」もあるんだよね。戦闘のシーン、ゾクッとした。汗とか土とか血の匂いが、画面越しに漂ってくるようで。
時代劇って、こんなにも“生々しい”ものだったのか、って。


「無頼」って、本当は俺たちかもしれない
映画のタイトルにもなってる「無頼」。
最初はね、「うわ、また物騒な人たちの話か〜」って思ってた。
でも観終わってみたら、全然違った。
無頼=自分の信念で生きる者たちだった。
誰かの命令じゃない。
武士の道でも、世間体でもない。
「自分はこう生きる」って、泥臭く決めてる人たちのことだった。
…それってさ、俺たちの時代にもいるよね?
会社で、正義のために声を上げる人。
家族のために耐える人。
SNSで疲れたと言いつつ、誰かの悩みに返信してる人。
それも全部、現代の「無頼」じゃん。
俺もいつか、そうなれたらな…って、ちょっと思った。
「もし俺が室町無頼に出ていたら」
キョウ恒例、妄想タイムです。
もし俺がこの世界にいたら――うん、無頼にはなれない。確実に。
戦乱の中を生き延びる度胸も、刀を握る腕力もない。
なんなら最初の戦闘シーンの端っこで、誰にも気づかれずにやられて終わってる。
でもね、想像はするのよ。
「ちょっと離れた村で、炭焼きやってる独身中年」役とかならハマりそう。
「近くの寺から逃げてきた少年を、黙って匿ってる」
「実は昔、都でちょっとだけ剣を握ってた過去がある」とか言って、モテないけど渋くて優しい。
…え、何それカッコいいやん?
実際の俺? ちょっと血を見ただけで貧血になるし、
剣よりマウス握ってる時間の方が長いけどね(^^;)
時代劇なのに「俺のことだ」って思っちゃった
この映画のすごいところ、それは時代劇なのに“今”の話にも聞こえるってこと。
理不尽に負けそうになったり、
誰かの正義に疑問を抱いたり、
それでも前に進まなきゃいけなかったり。
あの世界に生きる人たちの悩みや選択が、どこか俺たちの日常と重なる瞬間がある。
「俺も、今ここで踏ん張らなきゃいけないんだ」って。
最後に:静かな熱さに包まれて
ラストシーン。誰かが勝ったとか、国を変えたとか、そういう話じゃない。
でもそこには、確かに“生きた証”が刻まれていた。
泥にまみれながら、汗と血を流して、
それでも誇りを捨てなかった人たちの物語。
大声じゃない。
でも胸に響く。
派手な爆発も、CGもない。
でも涙がこぼれた。
これが“無頼”の生き方。
…俺はまだ、自分の信念を持ってるだろうか。
それとも、誰かの価値観に流されてるだけだろうか。
ふと、そんなことを考えさせられる映画でした。
まとめ:あなたの中の「無頼」に気づける作品
『室町無頼』、時代劇に抵抗ある人こそ観てほしい。
これは歴史の話じゃない。“自分の中の正しさ”を探す旅なんです。
「立ち上がる勇気」って、誰かに与えられるものじゃない。
自分で、掘り出して、握りしめるものなんだって、この映画が教えてくれた。
観終わったあとの自分の背筋が、ちょっとだけ伸びてた。
そして気づいたら、俺、帰り道で「ありがとう」って独り言言ってた。
――俺、無頼にちょっとだけ憧れてたのかもしれない。
観た人、ぜひ語り合いましょう!
コメント欄で待ってます(^^)
参照:映画『室町無頼』[映画.com]


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