母の日のプレゼントを、自分の家に送ってしまいました。
もう、この一文だけでだいたい話は終わっています。
終わっているんですが、本人の心はぜんぜん終わっていません。
数日前から、ちゃんと考えていたんです。
今年は忘れない。
今年は慌てない。
今年こそ、少しスマートに感謝を伝える。
そう思って、商品を選び、配送日を指定し、メッセージカードまで付けました。
「よし、今年の自分は一味違う」
そんな顔をしていた過去の自分に、今ならそっと肩をたたいて言いたいです。
配送先、見た?
ピンポーンで始まる、静かな絶望
母の日の朝。
のんびりコーヒーを飲もうとしていたところで、玄関のチャイムが鳴りました。
ピンポーン。
この時点では、まだ平和です。
通販をよく使う家なら、荷物が届くこと自体は珍しくありません。
でも、受け取った箱を見た瞬間、体の中のどこかが「スン……」と冷えました。
見覚えのあるサイズ。
見覚えのある包装。
そして、見覚えがありすぎる母の日ギフト感。
はい。
母に届くはずのプレゼントが、堂々と自宅の玄関に到着しました。
まさかの自分宛。
自分で選んだ母の日ギフトを、自分で受け取る。
なかなか味わい深いセルフイベントです。
味わいたくはありませんでしたが(笑)

原因は、だいたい「つもり」
こういうミスの怖いところは、本人に「ちゃんとやったつもり」があることです。
送付先を選んだつもり。
母の日指定にしたつもり。
注文前に確認したつもり。
この「つもり」が、実に手ごわい。
確認画面を見ているようで、脳はもう達成感に浸っているんですよね。
プレゼントを選んだ。
メッセージも書いた。
配送日も合わせた。
ここまで来ると、心の中ではほぼミッション完了です。
だから最後の一番大事なところを、なぜかふわっと通過してしまう。
仕事でもあります。
メールの宛先。
添付ファイル。
会議の日付。
大事なところほど「いつもの流れ」で処理してしまい、あとで冷や汗をかく。
母の日ギフトは、そんな人間の弱点をきっちり突いてきました。

母の返事が優しいほど、刺さる
慌てて母に連絡しました。
「ごめん、やらかした。来週持っていく」
写真も送りました。
言い訳も少し添えました。
すると返ってきたのは、「気持ちだけで嬉しいよ」というやさしい言葉。
これがまた、刺さるんですよね。
怒られたほうが、まだ楽だったかもしれません。
「何やってるの」と笑われたら、こちらも「いや本当に」と笑える。
でも、やさしく受け止められると、自分の凡ミスが急にしみじみしてくる。
感謝を伝えたい相手に、逆に気を遣わせてしまった。
ここが、小さく痛い。
もちろん、母は本当に気にしていなかったのかもしれません。
でもこちらとしては、「スマートに感謝を伝える計画」が、「荷物を持って実家に行く口実」に変わったわけです。
結果的には、それも悪くないのかもしれません。
直送できなかった分、直接顔を見て渡せる。
ミスが、少しだけ会いに行く理由になる。
そう考えると、人生はなかなか都合よく救済ルートを用意してくれます。
感謝は、効率化しすぎるとこぼれる
ネットでギフトを送れる時代は、本当に便利です。
離れていても、日付を指定して、きれいな包装で届けてもらえる。
これはありがたい。
ただ、便利すぎると、感謝までボタン一つで完了した気になってしまうことがあります。
本当は、選ぶ時間も、迷う時間も、連絡する時間も、全部まとめて感謝なんですよね。
今回のミスで、それを少し思い出しました。
配送先を間違えたこと自体は、ただの凡ミスです。
でも、そこから母に連絡して、来週持っていくことになって、少し会話が増えた。
そう考えると、失敗にも役割はあります。
できれば失敗しないほうがいいです。
それは本当にそう。
でも、失敗したあとにどう渡すかで、感謝の形はまだ変えられる。
小市民としては、そこに希望を見たいところです。
失敗したあとに、どう笑えるか
こういう失敗は、発生した瞬間はかなり恥ずかしいです。
しかも母の日という、ちょっといい話にしたい日にやらかしている。
自分の中の段取り係が、静かに机へ突っ伏します。
でも、少し時間が経つと、笑い話にできる余白も出てきます。
むしろ家族の思い出って、完璧に成功したイベントより、少し失敗した日のほうが残っていたりするんですよね。
旅行で道を間違えた日。
ケーキを傾けて持って帰った日。
集合時間を勘違いして、妙に早く着きすぎた日。
その瞬間は困るのに、あとから思い出すと、なぜか輪郭がくっきりしている。
今回の母の日も、たぶんそういう小さな記憶になる気がします。
「あの年、自分の家に届いたよね」と言われたら、こちらはもう笑うしかありません。
笑える失敗で済んだのなら、それはそれでありがたい。
大事なのは、失敗をなかったことにしないで、ちゃんと相手に向き直ることなんでしょうね。

まとめ:来年の自分へ、送付先を見ろ
母の日ギフトを自宅に送ってしまった。
ミスとしては、かなり分かりやすい部類です。
原因もシンプル。
送付先確認が甘かった。
以上。
でも、その奥には「ちゃんと感謝したいのに、どこか抜けている」という、ものすごく人間らしい問題がありました。
大事なことほど、気持ちだけでは足りない。
ちゃんと確認する。
ちゃんと伝える。
できれば、ちゃんと会う。
来年の自分には、この3つをメモしておきたいです。
特に最初のひとつ。
送付先を見ろ。
何度でも見ろ。
そして、もしまた間違えたら。
そのときはもう、堂々と持っていきます。
「今年も自走便です」と言いながら(笑)


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