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飛行機にも乗ってないのに「機内モード」を押す自分が謎すぎたので、調べたら電波の鎖を断ち切るセルフレスキューだった件

テクノロジー

仕事の集中力が切れかけた夕方、ふと気づいたんですよね。飛行機にも乗ってないのに、机の上のスマホで「機内モード」をオンにしている自分に(笑)。

しかも、これがけっこう前からの習慣になってる。原稿に向かうとき。本を読むとき。子どもと向き合うとき。空港のかけらもない自宅のリビングで、あの飛行機マークをポチッと押す。

冷静に考えると、変な行動なんですよ。機内モードって、文字どおり「飛行機の中で使うための機能」のはず。なのに、地上にどっぷり足をつけたまま、わざわざ電波を切っている。

なんでだろう。便利のために買ったスマホの、いちばん「不便にする」ボタンを、なんでこんなに頼りにしているんだろう。ちょっと気になったので、いつものように深掘りしてみることにしました。

推理: まず疑ってみたこと

最初に立てた仮説は、シンプルに「バッテリー節約でしょ?」でした。

機内モードにすると電波を探さなくなるぶん、電池の減りがゆるやかになる傾向があると言われています。だから無意識に省エネ習慣がついたのかな、と。

でも、すぐに違うなと気づいたんですよね。だってバッテリーが減って困った記憶なんて、押すときに一度もよぎってない。残量が80%あっても押してるし(笑)。

じゃあ何のために押しているのか。自分の手の動きを、もう一回そっと観察してみたんです。そうしたら、押す直前にいつも同じ感覚があることに気づきました。

「あ、これ以上、外から入ってきてほしくないな」

通知のバッジ、来るかもしれないLINE、開きっぱなしのSNS。それらが視界の端でチラチラして、頭の中が少しずつざわつく。その「ざわつき」を、物理的に止めたくて、あのボタンを押している。

面白いのは、これが「電源を切る」じゃダメだということ。電源オフにしてしまうと、メモも取れないしタイマーもかけられない。スマホそのものは手元に置いておきたい。でも、外からの割り込みだけは止めたい。その「わがままな要求」にちょうど応えてくれるのが、機内モードという中途半端さだったんですよね。

つまり自分にとっての機内モードは、もう飛行機の機能じゃなかったんですよ。外の世界とのドアを、いったん閉める儀式になっていた。これは面白い。なんでそんな変化が起きたのか、仕組みのほうから解いていきます。

解明: 機内モードは「何を」止めているのか

スマホから伸びる3本のアンテナ(セルラー/Wi-Fi/Bluetooth)が一括オフ

そもそも機内モードって、技術的に何をしているのか。意外とちゃんと説明できる人は少ないと思うんです(自分も調べ直しました)。

一度に複数の「電波の手」を引っ込めている

スマホは外の世界と、いくつもの目に見えない手でつながっています。携帯電話の回線(セルラー通信)、Wi-Fi、Bluetooth。

機内モードは、ざっくり言うとこの「外に向かって電波を出す機能」をまとめて一括でオフにするスイッチです。とくに電波を送信する機能を止めるのがキモ。これがもともと飛行機で使われてきた理由につながります。

ちなみに位置情報のGPSは、ここには入りません。GPSは衛星からの電波を受け取るだけで、自分からは電波を出さない「受信専用」だから。なので機内モードのままでも基本そのまま使えたりするんですよね。「電波を止める=何もかも切れる」と思いがちですが、止まっているのは”こちらから出す手”のほうだけ、というわけです。

飛行機の機内モードについては、「スマホの電波が飛行機の計器に影響するおそれを避けるため」と一般に説明されることが多いです。ただ実際のリスクの大きさには諸説あり、近年は技術の進歩で機内Wi-Fiを提供する航空会社も増えています。だから「絶対に墜落する」みたいな話ではなく、安全マージンを取る運用、くらいに捉えておくのが正確だと思います。

ポイントは「受け取らなくなる」こと

ここで生活者として大事なのは、送信を止めると当然ながら受信もしなくなるということ。

電話もメールもLINEも、向こうから飛んでくる電波を受け取れなくなる。だから機内モード中のスマホには、通知が一切やってこない。あのバッジの数字が、ピタッと増えなくなるんですよね。

考えてみると、これがものすごく大きい。普段、自分の集中を壊しているものの正体は「自分が見にいくもの」じゃなくて「向こうから割り込んでくるもの」のほうなんです。

スマホを買ったとき、目に見える本体には何万円も払いました。でも本当に手強い相手は、本体じゃなくて、そこに四方八方からつながっている目に見えない電波の鎖のほうだった。機内モードは、その鎖をまとめて、いったん外してくれる道具だったんですね。家電のしくみって、調べてみると「なるほど、そう動いてたのか」と腑に落ちる瞬間があって面白いです。

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もう一段深掘りすると: 「つながり」と引き換えに失ったもの

大量の通知の波に溺れる人物が、機内モードの浮き輪で地上に救出される

ここからが、今回いちばん書きたかったところです。

常時接続は「安心」と「ざわつき」の両方をくれる

スマホが常に電波とつながっていることは、まぎれもなく安心です。家族からの連絡がすぐ届く。困ったらすぐ調べられる。離れていてもつながっていられる。これは本当にありがたい。

でも、同じ仕組みが裏側で「いつ割り込まれるか分からない」状態も作り出しているんですよね。やっかいなのは、実際に連絡が来ていなくても効いてくるところ。「来るかもしれない」と待っているだけで、注意の何割かはずっとそっちに取られている。本を1ページ読むあいだに「通知、来てないかな」と頭の片隅がよそ見をする。あの感覚、心当たりある人、多いんじゃないでしょうか。つながっているだけで半分だけ外を見張らされている——便利の代償が、自分でも気づかないくらい静かに支払われていたんですね。

機内モードは「自分に戻る」スイッチ

外につながる見えない手を全部引っ込めた瞬間、スマホはどうなるか。

電話もメールも来ない。SNSも開けない。すると手元に残るのは、ただの記録装置であり、思考の道具なんですよ。メモを書ける。カメラで撮れる。読みかけの電子書籍を読める。タイマーをかけられる。

外と切れたスマホは、急に「自分のための道具」に戻る。誰かと比べることも、誰かに反応することもなく、ただ自分の手元の作業に集中できる。

小心者として安心なのは、機内モードを解除した瞬間、その間に届いていた連絡がまとめてちゃんと入ってくること。電話やメールは相手側に残るし、メッセージも後追いで届く。「切ったら大事な連絡を取りこぼすかも」と身構えなくていいんですよ。待ってくれていたものは、ちゃんと後で受け取れる。だから安心して、いったん閉められる。

情報の海に溺れそうになったとき、機内モードのボタンを押すのは、おぼれかけた自分を自分の手で地上に引き上げる、ささやかな救助の儀式なんだと思います。難しいアプリも、課金も、根性も要らない。指一本でできる、いちばん手軽な「つながりすぎからの一時避難」です。

ちなみに自分は、机に向かうときスマホを別室に置く方式も試したんですが、これは続きませんでした(笑)。「近くにあるけど、つながっていない」くらいの距離感がちょうどよかったんですよね。完全に手放すより、鎖だけ外すほうが、小心者には性に合っていたみたいです。






小市民の学び

機内モードは「飛行機のための機能」から、いつのまにか「自分を取り戻すための機能」に意味を変えていた。便利な道具のいちばん不便なボタンが、実はいちばん人間らしい時間を守ってくれていたわけです。

みなさんも、頭がざわついて何も手につかない夜があったら、だまされたと思って飛行機マークを一回押してみてください。30分でいい。外とのドアを一枚閉めたスマホと、閉めた自分が、思ったより静かで悪くないことに気づくはずです。地上って、案外いいところですよ(笑)。







キョウの余談

実はこの原稿、機内モードで書いていたのに、3回ほど「あれ調べなきゃ」でオフに戻してしまいました(笑)。儀式を語る本人が、いちばん鎖から逃げられていないという。

次回予告

電波を切った夜って、なぜか空を見上げたくなるんですよね。次は「1光年」の話を。あれ、時間の単位じゃないって知ってました?

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