前回の話で、
「宇宙=極寒」というイメージが、だいぶ怪しくなってきたと思う。
むしろ宇宙って、
寒い・暑い以前に、温度の扱いが雑すぎる場所。
今回はその続き。
じゃあ実際、宇宙では何が一番ヤバいのか、そこを掘っていく。
宇宙で一番の敵は「オーバーヒート」
意外かもしれないけど、
人工衛星や宇宙船で本当に怖いのは、
冷えすぎることより、熱がこもること。
地上なら、
熱くなれば空気が奪ってくれる。
風も吹く。汗も蒸発する。
でも宇宙は違う。
一度入った熱が、なかなか出ていかない。
例えるなら、
「換気扇のない密閉キッチンで、
コンロを最大火力にしたまま」
そりゃ焦げる。
だから宇宙機器の設計では、
「どう冷やすか」が超重要。
ISSに付いてる“巨大な板”の正体
国際宇宙ステーションの写真、見たことあるよね。
太陽電池パネルの他に、
なんか白くてデカい板が付いてる。
あれ、何だと思う?
答え:ラジエーター(放熱板)
要するに、
宇宙版の「エアコン室外機」。
ISSの中では、
人も機械も電気も、ガンガン熱を出してる。
その熱を、
放射として宇宙空間に捨てる。
風も空気も無いから、
板を広げて、ひたすら光として逃がすしかない。
金ピカの正体 ― 宇宙の魔法瓶
人工衛星が金色で包まれてるの、見たことあるよね。
あれ、見た目の趣味じゃない。
多層断熱材(MLI)っていう、
宇宙用の超高性能断熱材。
役割はシンプル。
・太陽の熱を反射する
・中の熱を逃がしすぎない
まさに魔法瓶。
ただし完璧じゃない。
魔法瓶も、時間が経てば少しずつ冷めるよね。
宇宙でも同じ。
だから「守る」だけじゃ足りない。
積極的に熱を捨てる仕組みが必要になる。
「数百万度の宇宙」は熱くない?
ここで、さらに混乱しそうな話。
宇宙のガスやプラズマには、
数百万度なんて温度が普通に出てくる。
え、太陽並み?
人間即死?
……ならない。
理由はシンプル。
粒子が少なすぎる
温度って、粒子一個一個の元気さの指標。
でも、
元気な粒子が数えるほどしかいなかったら?
ぶつかってこない。
熱、伝わらない。
だから、
温度が高い=熱いとは限らない
宇宙服は「着るエアコン」
前回もちょっと触れたけど、
ここ大事だからもう一度。
宇宙服の中、
実は水が循環してる。
汗をかいたら冷やす。
寒ければ温度を調整。
完全に空調服。
「防寒着」というより、
生命維持装置
温度、気圧、酸素、二酸化炭素。
全部管理。
じゃあ地球はなんで住めるの?
ここまで読むと、
「よく地球って安定してるな」と思う。
理由は一つ。
大気
空気があるから、
・熱がゆっくり伝わる
・昼と夜の温度差が緩和される
・余分な熱を捨てられる
地球は、
宇宙の中では異常に優しい環境。
奇跡レベル。
小市民的まとめ(その2)
宇宙は、
「寒い場所」でも
「暑い場所」でもない。
温度管理をミスると即詰む場所。
だから宇宙開発って、
ロケットより
エンジンより
AIより
地味な熱設計が命。
派手さゼロ。
でも失敗すると全滅。
なんか人生っぽい。


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