さて、いよいよ最終回。
ここまでで、だいぶ分かってきた。
・宇宙は単純に寒い場所じゃない
・真空は最強の断熱環境
・本当に怖いのは温度管理ミス
じゃあ最後の疑問。
人間が宇宙空間に生身で出たら、どうなるのか。
映画みたいに、
一瞬で凍って、砕け散って、はい終了?
……現実は、もうちょっと地味で、かなりエグい。
まず起きるのは「寒さ」じゃない
意外だけど、
宇宙に放り出されて最初に問題になるのは、
温度ですらない。
一番最初に来るのは、
気圧ゼロ問題
宇宙は、ほぼ完全な真空。
つまり、
肺の中の空気も
血液中のガスも
一気に外へ出ようとする。
ここで重要なのは、
「爆発する」わけじゃない
でも、
人間は風船じゃないけど、無事でもない
よくある誤解。
「宇宙に出たら人間は破裂する」
これは半分ウソ。
皮膚は意外と丈夫だから、
パンッとはいかない。
でも、
・唾液が沸騰する
・目や粘膜が乾く
・血液中のガスが泡になる
これが一斉に起きる。
意識があるのは、だいたい10秒前後
ここ、よく聞かれるポイント。
宇宙に放り出されたら、
どれくらい意識があるのか。
答えは、
10〜15秒程度
理由は単純。
脳に酸素が届かなくなるから。
この時点では、
まだ凍ってない
まだ焼けてもいない
ただ、酸欠。
「凍る」は、かなり後
映画でよくある、
一瞬でカチコチ。
あれは、ほぼ演出。
実際には、
凍るまでにかなり時間がかかる
理由は、前回までの話。
・真空は断熱材
・熱が逃げにくい
だから体は、
じわじわ、じわじわ冷える。
その前に、
酸欠で意識喪失。
逆に「焼ける」こともある
もう一つの地獄。
もし太陽光が直撃していたら?
・直射日光
・逃げ場なし
・冷却なし
結果、
表面はどんどん加熱
ただしこれも、
「燃える」というより、
「加熱され続ける」感じ。
どっちに転んでも、
人間に優しくない。
じゃあ宇宙は「暑い」のか「寒い」のか
ここで、最初の疑問に戻る。
宇宙は暑いの?寒いの?
答えは、
どっちでもない。
正確には、
人間の感覚が通用しない場所
温度はある。
でも、熱の伝わり方が違う。
だから、
「寒そう」も
「暑そう」も
小市民的・最終まとめ
宇宙って聞くと、
ロマン
夢
無限
そんなイメージが先に来る。
でも実態は、
人間向けに一切調整されていない環境
・空気なし
・温度管理なし
・油断したら即終了
それでも人類は、
知恵と技術で無理やり住みに行ってる。
宇宙服も
宇宙船も
ISSも
全部、
「人間は弱い」という前提で作られている。
それ、ちょっと好き。
というわけで、
「宇宙の温度」シリーズ、ここで完結。
次にSF映画を見るとき、
「今これ、温度の問題?酸素の問題?」
なんて考えながら観ると、
たぶん、ちょっとニヤッとできる。


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