学生時代から、いや社会人になってからも、気づけばずっと使っている道具ってあるよね。
ノート、消しゴム、ボールペン……そして、シャープペンシル。
で、ある日ふと思ったんだ。
「シャープペンシルって、なんで“シャープ”なんだ?」って。
芯が尖ってるから?
切れ味がいいから?
それとも、家電メーカーのシャープ?
結論から言うと……
全部ちょっとずつ当たってる、というややこしい話(笑)。
今日はこの「シャープペンシル」という名前に隠れた、発明・ビジネス・日本人の気質まで含んだ物語を、キョウ目線でじっくり解きほぐしていくよ。
シャープペンシルは和製英語だった
まず大前提。
「シャープペンシル」という呼び方、実は日本独自。
海外ではだいたいこんな感じ。
| 国・地域 | 呼び名 | 意味 |
|---|---|---|
| アメリカ | Mechanical Pencil | 機械式の鉛筆 |
| イギリス | Propelling Pencil | 芯を押し出す鉛筆 |
| フランス | Porte-mine | 芯を運ぶもの |
| 日本 | シャープペンシル | 鋭い鉛筆(+会社名) |
もうこの時点で、日本だけ空気が違う(笑)。
機能説明じゃなくて、名前がキャッチコピー寄りなんだよね。
19世紀イギリス生まれ、でも完成させたのは日本人
シャープペンシルの原型は、1822年のイギリス。
サンプソン・モーダンという発明家が「芯を繰り出す鉛筆」の特許を取ったのが始まり。
ただし、これがまあ壊れやすい。
高級品だけど、実用品としてはイマイチ。
そこで登場するのが、日本の金属加工職人、早川徳次。
1915年、彼は金属製で丈夫、しかも常に芯が尖った状態を保てる鉛筆を完成させる。
その名前が――
「エバー・レディ・シャープ・ペンシル」
つまり、「いつでも鋭い鉛筆」。
ここで初めて、「Sharp」という言葉が製品名として使われたんだ。
会社名がモノの名前になるという異常事態
このシャープペンシル、大ヒットする。
アメリカでも売れる。
世界で売れる。
結果どうなったか。
商品名が、そのまま道具の名前になった。
いま風に言うと、
- 検索する → ググる
- 宅配便 → 宅急便
- 機械式鉛筆 → シャープペン
完全にブランドの一般名詞化。
ビジネス的には成功の極みであり、同時に商標管理の地獄(笑)。
でも日本人、このパターン大好きなんだよね。
分かりやすいし、短いし。
「鋭い」って、実は思想だった
シャープペンシルの「シャープ」は、単に芯が尖っているという意味だけじゃない。
削らなくていい。
ムダがない。
すぐ書ける。
これって、かなり日本的な思想だと思わない?
効率重視。
手間削減。
常にベストな状態。
今で言えば、
「起動が早い」
「ワンクリックで完了」
「余計な操作なし」
その原型が、100年以上前の筆記具に詰まっていたわけだ。
よくある誤解を整理しておこう
ここで一度、ありがちな勘違いを片付けておく。
誤解① シャープ社が世界初で発明した
→ ×。原理の発明はイギリス。
ただし「実用品として完成させた」のが早川徳次。
誤解② 芯には鉛が入っている
→ ×。黒鉛(グラファイト)と粘土、または樹脂。
鉛は入ってない。名前だけの名残。
誤解③ 高いシャーペンほど折れない
→ △。値段より機構と芯の相性。
100円でも優秀なのは本当に優秀。
シャープペンシルが教えてくれること
この話、ただの文房具雑学じゃない。
・海外の発明を
・日本人が改良して
・分かりやすい名前をつけて
・文化ごと世界に広げた
まさに「改良大国ニッポン」の縮図。
しかも、その名前が100年以上残ってる。
学生時代、何気なくカチカチしてたあの音。
実は、日本のものづくり精神が鳴ってたのかもしれない。
まとめ:シャープペンは、発明と思想の結晶
シャープペンシルという名前は、
- 「常に鋭い」という機能
- 「シャープ」という会社
- 「分かりやすさ」を重視する日本人の感覚
この全部が重なって生まれた言葉。
次にシャーペンを手に取ったとき、
ちょっとだけ見方が変わると面白い。
100円でも、そこには100年分の物語が詰まってる。


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