「ペットボトルって結局なにで出来てるの?」「フタとラベルはどうするの?」「リサイクル工場の中で何が起きてる?」――知ってるようで知らない超身近な疑問を、親子の自由研究レベルでゼロからやさしく整理。今日から迷わず出せる分別のコツ、家でできる小ワザ、そして“よくある誤解”までまとめます。次回は数字と環境影響をガッツリ深掘りします。
きっかけは「なんとなく」――でも実は奥が深い
今年の夏、娘の自由研究テーマは「ペットボトルのリサイクル」。テレビで「キャップを集めるとワクチンに…」みたいなCMを見た記憶がうっすら。正直、親の私は分別=キャップ外す&ラベル剥がすくらいで止まってました。ところが調べ始めると、台所の三角コーナーの奥よりも深い世界が広がっていた――そんな話を、キョウ家の台所からお届けします。
そもそも“ペット”ってだれ?素材の正体を3分で
「ペットボトル」の“ペット”は犬猫のことではなく、PET=ポリエチレンテレフタレートというプラスチックの略称。軽くて割れにくい、ガスバリア性がそこそこある、透明で衛生的――飲料容器としての適性が高いのが採用理由です。ちなみに、キャップは主にポリプロピレン(PP)、ラベルはポリスチレン(PS)やポリプロピレン(PP)など、本体と材質が違うのがポイント。
| 部位 | 主な材質 | 役割 | 分別のコツ |
|---|---|---|---|
| 本体 | PET | 透明・軽量・成形しやすい | 軽くすすぐ、つぶす前に空気抜き |
| キャップ | PP(たまにPE) | 硬すぎず外しやすい、耐熱性 | 本体と必ず分ける |
| ラベル | PS/PP(シュリンク多い) | 表示・ブランディング | ミシン目から剥がして本体と分ける |
家庭での“正しい出し方”を台所の動線で再設計
- 飲み切る:中身が残っていると異臭・虫リスク。数滴でも放置で悲劇。
- 軽くすすぐ:お皿洗いのついでの“ついで水”でOK。洗剤は不要。
- キャップとラベルを外す:材質が違う=選別効率UP。ここが最大の親子共同作業ポイント。
- つぶす:縦つぶし推奨の自治体が多い。口を少し閉めて空気戻り防止。
- 乾かす:生ゴミと同居させない。ニオイ防止は家庭内の平和に直結。
- 収集日に出す:地域ルールが最優先。迷ったら自治体の分別表へ。
工場の中で何が起きてる?リサイクルの舞台裏を見取り図で
「回収→粉々→またボトル」みたいな単純な話ではありません。実は、食品容器として再び使えるレベルまで不純物を下げるのはかなりの技術勝負。異物混入は“ボトルtoボトル(BtoB)”の大敵です。 リサイクル工程のイメージ図(家庭→工場→再生ペレット→新製品)
- 選別:光学選別機でPET以外を除去。ラベル・キャップが残っているとロス増。
- 破砕・洗浄:フレーク化して高温洗浄。油汚れ・接着剤・砂糖分などを徹底除去。
- 比重選別:水に浮くPP/PEと沈むPETで物理分離。ここで外し忘れが効いてくる。
- 再生原料化:乾燥→ペレット化。食品接触に再使用する場合は更に高度な精製(固相重合や減圧脱ガス等)。
「キャップはワクチンに?」話題になった運動を丁寧に整理
キャップ単体を回収して寄付につなげる活動は、かつて全国的に広がりました。ここでの学びは二つ。①寄付の仕組みそのものは団体ごとに設計が違う(売却益を寄付する形など)、②自治体の資源回収ルールと齟齬があると、全体のリサイクル効率が落ちることがある――という点です。結論としては、まずは地域の分別ルールを最優先。学校や店舗の回収箱を利用する場合も、汚れ・異物混入ゼロを親子で徹底すると、活動の価値が最大化します。
ボトルtoボトルと、そうでないリサイクルの違い
PETのリサイクルには大きく二つの出口があります。 ①ボトルtoボトル(BtoB) 使用済みボトル→再生PET→新しい飲料ボトル。資源循環の王道。食品用途ゆえに品質要求が高い。 ②マテリアルリサイクル(繊維・シート等) ボトル→フレーク/ペレット→衣類の繊維、卵パック等へ。こちらも立派な再資源化。最終用途に応じて清浄度要件が変わる。
家庭での“ひと手間”(キャップ・ラベルの除去、すすぎ、乾燥)が、①の割合を押し上げる地味に効くスイッチです。娘いわく「ラベルのミシン目を剥がすのが一番気持ちいい」――わかる。
家でできるミニ実験:自由研究ノートにそのまま貼れる
- 重さ測定:500mLボトルの本体・キャップ・ラベルをそれぞれキッチンスケールで測る。どの部品がいちばん軽い?
- 圧縮テスト:縦つぶし・横つぶしで体積差を比較。ゴミ袋の入り数が何%増える?
- 洗浄比較:水のみ/ぬるま湯/洗剤1滴でニオイ残りを比較(翌日嗅覚チェック)。
結果は表にまとめ、写真を撮ってノート化すれば、自由研究としても映えます。
| 項目 | 方法 | 結果 | 考察 |
|---|---|---|---|
| 重さ測定 | 0.1g単位で計測 | ||
| 圧縮テスト | ペットボトル10本で比較 | ||
| 洗浄比較 | 3条件で翌日評価 |
よくある誤解と落とし穴を、先回りで回避
- 誤解1:「汚れてても工場で洗ってくれるでしょ」→油や糖分はベタつきと臭いの原因。他の資源を巻き込み不良を増やす引き金に。軽くすすぐは最重要。
- 誤解2:「キャップつけっぱなしでも浮くから大丈夫」→PP/PEが混ざると品質ダウン。外す一択。
- 誤解3:「潰すと回収してもらえない」→自治体ルール次第。多くは縦つぶし推奨。迷ったら分別表。
- 誤解4:「ラベルは剥がさない方が識別しやすい」→識別はバーコードではなく材質。剥がした方が工程は安定。
ミニ図解:つぶし方のコツ
縦つぶしの手順(安全第一)
まとめ:今日からできる“3秒の良い癖”
- 飲み終わったら水ですすぐ(3秒)。
- キャップ&ラベルを外す(親子で分担)。
- 縦につぶして乾かす(ニオイゼロの平和)。
この3ステップが、ボトルtoボトルへの近道。家庭の台所が、実は最前線です。
次回予告:数字で腹落ち編&地球へのインパクト
第2回は、日本のリサイクル率やCO₂削減の具体的な効果を“数字で”確認します。さらに、道に落ちた1本のボトルの行く末――マイクロプラスチック問題まで、親子で読める温度感で深掘りします。自由研究の「考察」や「まとめ」にそのまま使える表・図のテンプレも配布予定。




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