甘いものって、うまい。これは反論の余地がない。
でも最近は、砂糖と聞いた瞬間に「太る」「虫歯」「悪」みたいな空気になりますよね。分かる。ぼくも健康診断の結果を見るたびに、砂糖の袋が自分の罪状記録に見えてきます。
ところがです。
砂糖は、昔は「薬」でした。しかも割と真面目に、薬局の棚に並ぶタイプのやつ。
この記事では、次のことがスッキリ分かります。
- 砂糖が「薬」扱いだった理由(ちゃんと筋が通ってる)
- なぜ現代では悪役になりやすいのか(犯人はだいたい“量”)
- 脳と甘さの関係(欲望に理屈でライトを当てる)
- 砂糖を「毒」にしないための、現実的な付き合い方
砂糖って結局なに者?「白い粉」の正体を最短で
砂糖の主役は、いわゆるショ糖(しょとう)です。英語だとスクロース(sucrose)。
ショ糖は、ざっくり言うとブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)がくっついたもの。体の中で分解されて、すぐエネルギーになります。
ここで大事なポイント。
砂糖そのものは、善でも悪でもない。ぼくの財布みたいなもので、使い方(と量)で天国にも地獄にも行きます。
昔の砂糖は「薬」だった:その理由、ちゃんとある
「砂糖が薬? んなわけあるか!」って思うよね。
でも、昔の砂糖はとにかく貴重でした。今みたいに、コンビニで手軽に買える白い粉じゃない。むしろ「珍しい」「効きそう」「保存できる」——この三拍子がそろうと、昔の世界ではだいたい薬になります。
ざっくり年表:砂糖の立ち位置はどう変わった?
| ざっくり年代 | 主な地域 | 砂糖の立ち位置 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 古代〜初期 | インド周辺 | 貴重品/医療・滋養の素材 | サトウキビの汁を煮詰めて甘味を得る技術が発展 |
| 7世紀ごろ〜 | 中国(唐など) | 技術の導入・精製が進む | 砂糖づくりの技術が伝わり、国内生産が強化 |
| 中世 | イスラム圏〜地中海 | 高級品/薬・香辛料としての地位 | 交易と農法で広がり、「白い金」化の前段階 |
| 中世〜近世 | ヨーロッパ | 薬局の棚の高級素材 | 薬剤師(アポセカリー)が薬・スパイスと同列に扱う |
| 近代 | 大西洋世界など | 大量生産の嗜好品 | プランテーションで“砂糖が日常化”していく |
| 現代 | 世界 | 便利だが過剰が問題になりやすい | 加工食品・清涼飲料で“気づかぬ摂りすぎ”が起きる |
砂糖が薬っぽかった「3つの実用的な理由」
理由1:保存性が高い。つまり“薬を守れる”
砂糖は水分を引っ張る性質が強いので、微生物が増えにくい環境を作れます。だから昔から、果物を砂糖で煮て保存したり、シロップ状にして薬草を保ったりしやすかった。
薬って、効く前に腐ったら終わりです。保存できる甘味は、当時の医療にとってめちゃくちゃ実用的でした。
理由2:効き目が“体感”しやすい。即効性は正義
甘いものを口に入れると、気分が上がる。体が少し元気になる。
これは気のせいも混ざるけど、完全な妄想でもない。糖はエネルギーに変わりやすいので、疲労感のある状態だと「うわ、効く」って感じやすい。
昔の医療は、今ほど検査も数値もない。だから体感できる変化があると、薬としての説得力が一気に増えます。
理由3:希少性が“権威”になる。高い=効きそう、は人類の癖
貴重な輸入品、白くてきれい、加工に手間がかかる。こういうものは昔の社会だと権威になりやすい。
「高いものは効くはず」という期待は、現代でもサプリの棚の前で普通に発動します。人間の脳は、わりと素直です。
でも、砂糖の歴史には“甘くない現実”もある
ここだけは、砂糖を「かわいい歴史ネタ」で終わらせたくないので、短くまっすぐ言います。
砂糖が「日常のもの」になっていく過程は、プランテーション(大規模農園)と結びついていて、そこには搾取や暴力の歴史が絡みます。
甘さの裏側に、苦さがある。これを知っておくと、砂糖の“価値”をどう扱うかが少し変わります。軽く見えなくなる。
悪役になったのは、砂糖じゃなくて「過剰」と「隠し味」
砂糖が嫌われる時代になった理由はシンプルです。
- 安くて大量になった
- 飲み物に入るようになった(噛まない=満足のブレーキが効きにくい)
- 加工食品の「風味調整」に、あちこちで使われるようになった(本人は主役の顔をしてない)
つまり、砂糖が問題というより砂糖が“気づかれずに増える環境”が問題。
ぼくの部屋の段ボールと同じで、1個なら保管、10個で災害です。
毒か薬かは「量」が決める:ここが本日の核心
昔の偉い人が言いました。意訳するとこう。
どんなものも、量しだいで毒になる。どんな毒も、量しだいで薬になる。
水だって飲みすぎたら危険だし、酸素だって条件次第で害になります。要するに、絶対悪はあまり存在しない。あるのは「バランスを失った状態」。
じゃあ砂糖の“量”ってどれくらい?
世界の公衆衛生の指針では、いわゆる「遊離糖(ゆうりとう)」=砂糖やシロップなどの追加された糖は、総エネルギーの10%未満が推奨され、さらに5%未満だと追加のメリットがある、とされています。
「%って言われても困る」ってなるよね。分かる。そこで雑に変換します。
- 5%の目安として、1日25gくらい(ティースプーン約6杯)という話がよく出てきます
- ただし、体格・活動量・体調・持病で“適量”は動きます
ここ重要。この記事は医療行為じゃないので、持病がある人や制限が必要な人は、医師や管理栄養士さんの指示が優先です。そこはガチで。
脳と砂糖:甘さが「正義」に感じるカラクリ
砂糖がやめにくい理由は、意志が弱いからじゃない。脳の仕様です。仕様なら、対策はできます。
脳はエネルギーを食う。だから手っ取り早さに弱い
脳は通常、エネルギー源としてブドウ糖(グルコース)を主に使います。
ただし「唯一」ではありません。断食や糖質が少ない状態では、脂肪から作られるケトン体も脳の燃料になります。ここ、誤解されがちなので丁寧に言いました。
つまり、脳が欲しいのは「甘味」そのものじゃなくて、エネルギーの入金通知です。
甘味は“報酬”になりやすい
甘味は、脳の報酬系(ごほうけい:気持ちいい!を作る仕組み)を刺激しやすい。疲れてる時、ストレスが強い時ほど、甘味が救命ボートに見えてきます。
砂糖を舐めながらできる「メタ認知トレーニング」
ここが、ぼくの好きなパートです。砂糖は、うまい。だからこそ、脳の動きが見えやすい。
メタ認知(めたにんち)ってのは、簡単に言うと「自分の頭の動きを、一歩引いて眺める力」です。
3ステップで十分。たった10秒でいい
- 止まる:甘いものに手が伸びた瞬間、いったん止まる(食べないとは言ってない)
- ラベルを貼る:「疲労」「イライラ」「退屈」「ご褒美欲」など、理由を雑に命名する
- 選ぶ:食べるなら「量」と「タイミング」を自分で決める(流れで食べない)
この10秒があるだけで、砂糖は“毒”から“道具”に戻ります。
逆に言うと、何も考えずに流れで摂り続けると、砂糖は静かに毒側へ寄っていきます。静かにね。ここが怖い。
現実的な付き合い方:砂糖を「敵」にしないコツ
コツ1:液体の糖は、まず疑う
ジュース、甘いカフェドリンク、エナジードリンク。これらは摂取スピードが速く、満腹感のブレーキが効きにくい。
砂糖との距離を調整したいなら、まずここが一番効きます。
コツ2:「ご褒美」を時間で区切る
おすすめは、食後に寄せること。単体でダラダラ食べるより、区切りが作りやすい。
仕事中の無限アメ玉は、気づくと“常時点滴”になります。ぼくはこれで何度もやられました。
コツ3:成分表示で“正体”を暴く
甘味は「砂糖」だけじゃなく、いろんな名前で潜入してきます。
- 砂糖
- ぶどう糖果糖液糖/果糖ぶどう糖液糖
- 水あめ
- シロップ類
全部を敵視する必要はない。でも、存在を認識するだけで勝率が上がる。これはほんと。
コツ4:ゼロか100かをやめる
「砂糖は絶対ダメ」って縛ると、反動で爆発します。人間はだいたいそう。
だから、ぼくの提案はこうです。
砂糖は、禁止じゃなくて“運用”する。
結論:砂糖は「薬」でも「毒」でもなく、ただの強い道具
砂糖が昔「薬」だったのは、当時の技術・希少性・体感の強さ・保存性といった、現実的な理由があったから。
そして現代で「毒」っぽくなるのは、砂糖が変わったというより、環境が“摂りすぎ前提”になったから。
だから今日のラストは、これだけ置いておきます。
その一口は、ぼくにとって薬か? それとも毒か?
答えがどっちでもいいんです。大事なのは、答えを自分で選んだってこと。
砂糖は、ぼくらを操る王様じゃない。使い方を決めるのは、こっちです。

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